道ゆく先々での、木々草々花々などさまざまの出会いとその後を、一筆箋に綴るつもりで。
From the Wayside: about my acquaintances of trees, flowers, weeds and others (written in Japanese)
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2020年7月29日
道の記
ノボロギクやツメクサの出ていた角は、いまはクグガヤツリやコスズメガヤが穂を付けている。アレチノギクだと思う草は、だいぶ伸びてきたけれどまだ花はない。
その角を過ぎて少し角度のちがう道に差し掛かると、さあっと風が吹いてきた。風が通っていく。わずかな角度のちがいだけれど、それだけで風の通り道になるのだなと思った。
桜の切り株のひこばえは、他の草たちに隠れて無事に育っていた。切り株のうろからは、クスノキらしき幼木が育ちつつあった。
小さな坂の上の桜は伐られていた。工事フェンスの内側に切り株が見えた。イネ科らしき何かの草の葉が切り株をしずかに囲んでいた。
売り地の桐の木はひこばえを茂らせていた。この様子だと、今度はいくつもの幹を伸ばしていくだろう。葉ざわりが優しかった。
2019年5月6日
道の記
春の小径は草が刈られていた。次の春が来る前にきっと別の季節が来るのだろう。
こんなにまっすぐ続く道をひさしぶりに見た。あの果てまでこの暑さの中、歩けるのだろうか、とにかく一歩一歩だ、と思って歩いて、15分で果てにたどり着いた。麦の穂がさらさら音をたてて揺れていた。
この小径を歩くのもたぶん10年ぶりだ、と思いながら、むかしながらの家々に囲まれた小径を歩く。途中、イチイガシの大木がいる。よく茂っていて元気そうだった。この道を歩かなかったこの10年のことを思った。
絵を見た帰り、川土手を歩いた。広々と景色が広がる。向こうの山のふもとまで歩く。風がだいぶ涼しくなっていた。風に吹かれて、むかしこんなふうに見晴らしのよい丘を風に吹かれながら通ったのを思い出した。河川敷でこどもたちが遊び、おとなたちが走っていた。山と空はさっき見た絵に似て淡い色あいになっていた。
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