以前、夜に疲れて歩いていたその通りすがりに、ある公の施設の敷地に見えたユッカの花になぐさめられた。その施設がなくなってだいぶ経った。きょうやはり疲れてその横を歩いていて、跡地の端に、キカラスウリの花を見つけた。おかげでもう少し歩ける気持ちになれた。
道ゆく先々での、木々草々花々などさまざまの出会いとその後を、一筆箋に綴るつもりで。
From the Wayside: about my acquaintances of trees, flowers, weeds and others (written in Japanese)
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2019年7月29日
2018年12月16日
道の記
マンション前の電柱ふもとの朝顔がどうしているか気に掛かっていたけれど、その道を行くことがしばらくなかった。だいぶひさしぶりにその道をバスで通った。バスからはその位置に緑らしきものは見えなかった。帰りにそこを歩いた。電柱の根元に枯れ色の小さな切り株があった。
橋の上から見る山は遠かった。陽を受けて陰影あざやかで手に取るように見えているのに。
夜にユッカの花に慰められた幹線道路沿いの施設跡地、敷地の端に何か丈の高い切り株が残されているのに気付いた。何の木かわからない。生きているかどうか道からではわからなかったが、生きているかどうかというよりただ屹立していた。
2017年10月13日
道の記
自動車ばかりが走る夜道を疲れて歩いていて、廃止された施設の敷地に咲くユッカの花に慰められた。1年か2年か前だったと思う。その敷地が更地になっていた。明るい空の下で、白くなった地面から草の芽がいくらか伸び始めていた。ユッカは見えなかった。
歩く人も自転車の人も見かけない長い歩道の街路樹の根元に、ツルボが1本ぽつんと咲いていた。穂の先だけ花が残っていて、今年の花はこれで終わりそうだった。その咲き終えようとしている花の穂のかたちが、しあわせのかたちのように見えた。横をいろんな車が次々と走って行った。
2016年10月12日
2016年10月2日
道の記
ときどき夜に歩いて通るある道から、山の裾野に一軒の大きな建物の明かりが見える。高層マンションではないかと思う。暗がりの中にそこだけぽつんとたくさんの細かな明かりが並んで見えていて、そこを遠く眺めているとなぜだか胸に来るものがある。
夜、ほかにだれも歩いていない、横を車が次々飛ばしていく道をとぼとぼ歩いていると、ときどき自分が情けなくなる。そんなふうに道を歩いていて、いまは使われていない施設の前庭の茂みからユッカが花をあたま一つだけ高く差し上げているのが見えた。真っ暗な中で白い明かりのようだった。
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