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ラベル 小川内の杉 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
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2021年2月17日

道の記(五ヶ山・小川内)


ひさしぶりの道はマスクをしながらだとまわりの景色や草木が見えてこない感じがした。


ダム直下に新しく出来ていた公園のほうへ向かった。公園へはすぐに入らず、その先の旧五ヶ山小学校跡地へ歩いた。高いメタセコイアの木がそびえている。石碑に、小学校が統合されて無くなったのが昭和41年と書いてあった。何かの動物のオブジェが向こうを向いていた。


公園の横を流れる那珂川は、岩がずいぶんと赤かった。しばらく流量が多かったと聞いている。水は濁っていた。


ダム湖に沈んでいた木々は白くなっていた。旧道は一部で土が積もっているほかは路面が見えていたが、上から見るかぎりではあたりに草が生えているようには見えなかった。


東小河内の丘の桜やモッコクやもみじ、川のほとりのこぶし、旧小川内小学校の桜が見えていた。小学校の桜の少し下まで水が上がってきていた。


小川内の杉は1本の杉の頂部に何か金属棒のようなものが取り付けられていた。別の1本の梢が以前切られていた覚えがあるが、そのあたりに葉が小さくこんもりと茂っていた。


桜はきょうも小さく枝々を振ってくれているように私には見えた。また来ます、と声に出して言った。

2019年4月20日

道の記


山はまだ景色のところどころで山桜が咲いていた。ダム湖の中の山桜も、この景色の中のどこかにこどもを残しているだろう。そう思いながら、ダムへ続く道を登った。

桜は完全に水没したわけではなく、これまでに最も水位が上がった時点でも梢のところが水面上に残っていた。その後水位が下げられ、この日は樹冠の全体が水面の上に出ていた。双眼鏡で見たけれど花や葉は見当たらなかった。

小学校の校庭の桜は沈んで2度目の春になる。水面は静かだった。近くにいろいろな観光施設ができて、車の通りはやや多くなったようだが、橋から見下ろす水面は静かだった。

移設された杉は、枯れ枝を落とされていたほかは元気なようだった。休憩らしく、大きな車がふもとにずっと停まっていた。

杉の横の崖では山桜が散り始めていた。崖沿いの道に上がり、桜の木の近くに来ると、香りがただよった。この山里は古い時代の書物にも記された山桜の里だった。里は無くなった。山桜はこれから何を伝えていくだろう。

(4月13日)

2018年10月15日

道の記(五ヶ山・小川内)


五ヶ山・小川内を訪ねた。試験湛水中の五ケ山ダムの水位はこの夏に常時満水位に達していて、それ以降初めて訪ねた。

東小河内の桜は上部の数メートルを残して水没していた。水面上に残っている枝は遠目にはほのかに紅色に見えたが、双眼鏡では冬枯れのような白さにも見えた。隣のモッコクは梢の小枝が水面上に出ているだけだった。モッコクの小枝は上を向くと聞いているが、ちょうどそのようにたくさんの細かな枝がまっすぐに上を指していた。

小川内の側の、もともと小川内の杉がいた神社境内まわりだと思われるあたりで、杉の梢が湖面の上に残っていた。いちばん高さがあった木だろう。赤色をしていた。また、東小河内のより上流のほうの湖面に、あざやかな緑色の木の梢が見えた。若い木のように見えた。そして湖岸近くの下部が水没した木々は、ことごとく葉が落ち、もしくは変色していた。

ダムの試験湛水はまだ途中で、水位はこれからさらに数メートル上昇するらしい。

移設された小川内の杉は大過なく過ごしているようだった。短い間だけしかいなかったのでこの日全体のことはわからないが、訪れる人はまばらだった。

水面上にわずかだけ見えている桜は、冷たく眠っているようにも見えた。この眠りを来年覚ますのかどうか、いま私にはわからない。


2017年4月10日

道の記(五ヶ山・小川内)


五ヶ山・小川内に行ってきた。去年の4月9日に小川内の杉の斜面移動が行われてからちょうど1年。ちょうど1年だからというのもあるけれど、対岸の東小河内の桜を見たいと思っていて、1週間前に続いて出向いた。

先に小川内の杉のことを。このところは大きな変化がないような気がする。そのうち、以前の写真と見比べてみようと思っている。

東小河内の桜は咲いているように見えなかったが、双眼鏡ではちらほらと白い点が見えた。ただそれも咲いているのかつぼみがふくらんでいるのかわからない。いずれにしても、去年の9日に見た見事な花景色は少し先に思えた。それでも今週のうちには満開になるだろうか。

桜を見ようとして目に飛び込んできたのが、桜の下、試験湛水中のダム湖面から樹冠の上半分ほどが出て咲いている、こぶしの花だった。小川内の杉の元の場所の近く、川の中州にある木々のうちの1本で、たしかに去年も咲いているのを見た。

肉眼では何の花かよくわからず、双眼鏡もかんたんな物なので細かく見えない。双眼鏡では花弁がやや厚ぼったく見え、白木蓮みたいにも見えるけれど、川の中州だった場所なので白木蓮ではなくこぶしだろうと思う。

樹冠の下半分までダムの水に浸かりながら、こぶしはあざやかに咲いていた。隣り合う中州の木々もなかば沈みつつ常緑の緑を水面上に見せていた。近くに、細かな木切れとともに、白い花弁がぽつぽつとゆるやかに並んで浮かんでいるのが見えた。

その景色のことをそれ以上どう言ったらいいか私はわからない。

なぜこうしたことをツイッターに書くのかもわからなくなってきた。

2017年4月1日

道の記(五ヶ山・小川内)


五ヶ山・小川内に行ってきた。水位はまたいくらか上がっていた。旧小川内小学校の対岸の木々が完全に水没して見えなくなっていた。

東小河内の桜はまだ咲いていなかった。今日見た様子だと、水が上がってくる前に咲くだろう。隣のもみじが芽吹いているようで、ほんのり赤く色付いていた。

桜やもみじの場所は神社の境内だったのだと思うが、その神社の移転先を見つけて訪ねてみた。ちょうど、地元の方々が近くにお出でになっていて、神社を案内していただき、昔のお話も聞かせてくださった。

移転先の神社の境内には、あまり大きくない桜やもみじの木があった。いま思うと、樹種を元の神社と同じに揃えてあるのかもしれない。春の草の花々が境内をほがらかに彩っていた。

小川内の杉は、木々そのものに大きな変化はないように見える。周囲は来るたびに少しずつどこかが変わっている。

ダムの試験湛水では直線的に貯水量を増やしていくのか途中で水を減らしたりするのか知らないが、直線的であれば、いま見えている木々が水に浸かるのはあまり遠い日のことではないだろうと思う。いまは、見えている景色を精一杯受け止めたい。

2016年11月23日

道の記(五ヶ山・小川内)


五ヶ山・小川内に行って雨の紅葉を見てきた。東小河内のもみじは1本はほぼ落葉、その手前の木に色付いた葉が残っていた。小さな木々の紅葉も美しかった。


小川内と東小河内とを結ぶ小橋のあたりに、もみじの木が多く生えていて、この季節に小川内を通ることがあるといつも橋の上から眺めていた。今日見たら橋が撤去されていた。橋のすぐそばのもみじの木もなくなっていた。川辺に残っているもみじが色あざやかだった。


旧小川内小学校から佐賀橋方向に少し下ったあたりに、桜のような木があるのに気付いた。その木も桜色に染まっているように見え、花が咲いているのかと思って双眼鏡で見てみたが、遠くてはっきりわからなかった。試験湛水の水がその木の少し下まで来ていた。


東小河内の桜には花がわずかに残っているのが見えた。春の花は見られるだろうか。


旧小川内小学校の桜の木は落葉していた。雨に濡れて黒々とした幹と枝が空へすっと伸びていた。もう空しかないと思い定めたかのようだった。


小川内の杉は現在のところ順調というお話を伺った。


いまも雨が降っているだろう。

2016年11月3日

道の記(五ヶ山・小川内 見学会)


東小河内の桜はわずかに花が残っていた。枝全体が桜色に見え、蕊が残っているのか花芽が残っているのか。

旧佐賀橋をバスが通って行くのがダムの上から見えた(私は乗れなかった)。脊振の行き帰りに佐賀橋バス停をたびたび利用した。あの道をふたたびバスが通る景色を見ることができた、でもこんなかたちで見ることになるとは思わなかった。

試験湛水についても尋ねたのだけれど、早く水位が上がるのが見たいという印象を与えてしまったような気がしている。

試験湛水で水位が上がるまで時間は相当に掛かると思うが、それでも時間の問題ではあるだろう。旧小川内小学校の桜など比較的標高が低い位置の木はあまり遠くないうちに水がやってくることになるのではないかと思う。

堤体(と呼ぶのか)の上で眼下の光景を見ていたその時間にバスが締め切りになったらしい。長い列だった。下の光景をバスで間近に見た人たちが「ダムすごい」だけでない何かをそれぞれなりに感じ取ったのだったら、乗れなかったこともあきらめられる気がする。

いやそういうことじゃない。

小川内の杉も見てきた。まわりのほかの杉にも同程度の黄変が見られ、そのことから考えて、だいじょうぶではあるのかな…と思っている。

東小河内のもみじの木が紅葉する今月の中旬から下旬のどこかで行ってみたいと思っている。

2016年10月15日

道の記(五ヶ山・小川内)


五ケ山ダム水没予定地の桜(やはり山桜だと思う)、さらに開花が進んでいた。遠目でしか見られないため何分咲きとも言えないけれど、樹冠全体が華やいでいる。双眼鏡では(花かつぼみか見分けられないが)たくさんの白い点が枝いっぱいに。

不時咲きでも満開になることがあるのだろうか。

秋にも咲く品種の桜なのだろうかとも考えている。十月桜は知っているけれど、春も秋も花がまばらな印象があり、違うように思う。秋から冬にかけて咲く品種がけっこういろいろあるようで、近くで花を見られたなら見分けができるのかもしれないが。

ともあれ花であるには違いない。


小川内の杉がもともといた場所の近くで別の木の移植作業(に見えた)が進められていた。以前、アカガシを移植するという工事予告が出ていたので、そのアカガシではなかろうか。


桑の河内の(新しい)お堂の横の大いちょうは1か所だけがあざやかに色付いていた。まだ調べていないけれど、このいちょうもたぶん、お堂と同じく現在地に移されてきたのだと思う。


五ケ山・小川内の杉の所へ行く途中に、南畑ダムに沈んだ集落、道十里の碑がある。「垂乳根の大銀杏」という木があったそうで、ウェブなどでその名を見る。いまもダム湖に沈んだままらしい。以前、地元の方からだいたいの場所を教わって行ってみたが、何のよすがもなかった。湖面が静かに広がっていた。
※ 後日、湖面に出ている枯れた大きな木が「垂乳根の大銀杏」だとわかった。https://michinohata.blogspot.jp/2017/06/blog-post_21.html

2016年10月9日

道の記(五ヶ山・小川内)


まもなく試験湛水が始まると聞いている、五ケ山ダム水没予定地の桜(写真中央)。今日見てきた。携帯写真ではよくわからないけれど、咲いていた。



前に書いたことがあるけれど、旧東小河内の桜やその隣の木々は、何かわけがあって残されているのだろうと思う。寺社や民家の木で土地の人たちが伐らないでおいてほしいと要望したなどの経緯があったのでは。その残してくれた人たちを、桜が花を咲かせて待っているような気がする。

カメラで撮った写真はもうちょっとだけ写りがはっきりしている。載せ方がまだわからないができれば載せたい。

こちらは小川内の杉。水没予定地からもっと高い場所に移設された。いまはおだやかに養生している様子。



双眼鏡だと花が見えるので、一眼レフに望遠レンズ(と言うのか正しく知らない)だとはっきり写せるのではないかと思う。できれば花が見られるうちに再訪したいけれど、いつまで咲いているだろう。

手持ちの地図にはほぼその位置に「大山神社」の記載がある。いくつかのウェブページに神社のことが書かれていて、木々はおそらく境内の樹木だったのではと思う。

4月の満開のときもそうだったけれど、桜はいまこのときを咲いていた。水に沈む前にもう一度咲いたとも思えるし、いや何度でも咲くつもりだとも思う。見てほしいかもしれないし、静かに咲いていたいかもしれない。そうしたいろいろ思われる意味意味の向こうで、桜はいまこのときを咲いていた。

(この項、10月9日から10月12日にかけてツイッターに投稿したものをまとめました)