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2017年4月22日

道の記


ごみ袋に草を詰め込んで表に置いてあるお家の正面道際に、トウバナがひとやま並んでいた。これから取られるのか、それとも残されているのか、そろそろと花の穂が出始めていた。

トウバナはどこにでも生えている、と書いてあったのを何で読んだかよく覚えていない。街中を歩いていてトウバナがいたら、私はちょっと幸せがある。この前は今年初めて花を見つけて喜んだ。いるところにはいるのだけれど、どこにでもはいない。このまちではトウバナはそういう草である。

チチコグサやスズメノヤリも場所によってはたくさんいるけれど、概して言うとトウバナと同じくらいの頻度でしか見かけない感じ。ヒメウズはそれよりも見かけることが少ない。コナスビは見つけたらけっこう嬉しくなる。


線路際の唐実桜が伐られた。今年これまでに何度か訪ねて、花も見た。香りが高くて、あたりが春の兆しに満ちていた。そんな何事も起きていなかったかのように、線路際の一帯ががらんとなっていた。桜の場所を見ると、切り株がみずみずしくしていた。

抜根の工事が行われる日までは桜はそこにいる。ひょっとしたら、抜根された後も、そこにいるのかもしれない。