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2016年7月26日

道の記


柿と梅と桜といちじくが植えてあった線路端の小さな緑地が工事でなくなって1年が過ぎた。いまはこの先の工事を控えて砂利が敷いてあるが、そこからぽつんぽつんと柿が芽を出している。地中のちぎれ根から伸び出したのだろう。まわりの草とともに青々としている。

知っている方がこの緑地の木々を以前から見ておられて、そのときどきの花を教えてくださっていた。先日その方からも、あそこに柿の葉っぱが出ている、とお話をうかがった。がんばってるよ、と。

柿の木は伸び放題に大きかった。手入れをなさる方々も代が替わっていったのだろう。実はいつも収穫されずに道に落ちたり鳥のえさになったりしていた。それでも道を通る人たちのなかに、その木の1年1年を見守っていた方がきっと(ほかにも)いらっしゃっただろうと思う。梅も桜もいちじくも。

金網の向こうで伸びゆく柿の芽も、道からご覧になっているどなたかがいらっしゃることだろう。