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2016年7月13日

道の記


昨年のいまの時期、とおりみちの駐車場脇に1本のアレチノギクが生えていた。なぜそのアレチノギクに目が留まったのかわからないが、その道を通るときにいつも見ていた。夏に入って乾燥が続き、しだいに枯れ始め、やがてすっかり枯れ切った。

枯れ切ってからもアレチノギクはそこに立ち続けていた。綿毛が茎に残っていた。立ち枯れたままアレチノギクは時を経て、大風の吹いた夜のあとだったように覚えているが、姿がなくなった。

その道を通ることが少なくなって、しばらく前、ひさしぶりに通った。そこにアレチノギクが生えていた。こどもかどうかわからない。駐車場の脇で、丈を伸ばさずに、去年の景色とそっくり同じようにしていた。

そして次の夏が来る。