道ゆく先々での、木々草々花々などさまざまの出会いとその後を、一筆箋に綴るつもりで。
From the Wayside: about my acquaintances of trees, flowers, weeds and others (written in Japanese)
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2019年11月25日
道の記
よく通る道で、歩道が狭くなっている箇所がある。街路樹のクロガネモチと電柱と建物とのあいだを抜けるようにして通る。すれちがうのは難しい。そこのクロガネモチの枝を落とす工事をやっていた。剪定ではなく伐採のようだった。次にここを通るときにはこのクロガネモチは撤去されているかもしれない。木には近づけない。通り過ぎてから1度振り返った。クロガネモチは思っていたよりも傾いて立っていた。
イヌビワの植木鉢があったお店の跡地のひとつ奥の駐車場の隅で、イヌビワが茂っていた。
こちらの方向へはむかしの思い出があり、あまり行かないようにしていた。そういえば最後にここを訪ねたときも、紅葉だったのではなかったか。少し傾いた日差しに、神社の高台の紅葉があざやかに見えていた。あたたかそうな御家族の声が聞こえていた。
小径を行くと、こんどは小さなイヌビワが敷地の端で、でもしっかりと茂っていた。敷地の先の端では小さなホトケノザの葉が出ていた。
ここからはいつもの道を行こう。そっちの草から呼ばれている気がする。そう思って高架をくぐって向こう側の歩道へ移った。ヒナギキョウがたくさん咲いていた。
地図で見ていてどういう公園だろうと思っていた。時間の合間に登ってみた。思いのほか山道で、ツワブキがいっぱい咲いている。ツワブキは植えられたのではないかとも思うが、よく知らないシソ科の花や、たぶんノコンギクだと思う野菊が、土の階段道を彩っていた。西日。こどもたちの声。しあわせな場所だった。
帰りも、思い出が巡り寄せる道を通った。もうはるかなむかしだけれど、忘れてはいない。忘れたほうがよいのかもしれないが、忘れきってしまうのではだめだという気がした。細い夜道はまっすぐ続いていた。
クロガネモチは下から幹の途中までが残っていた。幹に小さな葉がいくつか出ていた。生きていれば、ここから始め直すことができる。幹に手を当てた。たがいに言葉はない。振り返って、また、とだけ声を掛けてその場を去った。
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