道ゆく先々での、木々草々花々などさまざまの出会いとその後を、一筆箋に綴るつもりで。
From the Wayside: about my acquaintances of trees, flowers, weeds and others (written in Japanese)
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2019年8月29日
道の記
切り株の桜の芽はまた刈られていた。株の根元が刈りにくかったようで、数枚の葉が残っていた。今回、桜が枝を横に伸ばしていたのは正しかったということだろう。
大くすのきの林には大きな重機が来ていた。建設工事がこれから始まるのだろう。小さな緑は重機の陰で見えなくなった。切り株は置かれたまましずかだった。
柿の木や樫の木が切り株になっていた場所は、土が重機で掘り返された様子だった。切り株は根から無くなっていた。ちぎれ根が地面から出ていた。以前から敷地の中には廃棄物のような物々が放置されていたが、切り株らしき姿は見えなかった。
このあいださわった柿の葉も樫の葉もその感触をおぼえている。
前を見ずに歩いていて、ふと、田んぼだった場所の花壇の花が目に入った。私は咲いてるよ、と、呼びかけてきたように感じた。
造花が供えてある手向け花のプランターに、少し長めのねこじゃらしの穂が1本、立てかけてあった。よく見るとプランターの中からも穂が1本伸びていた。プランターの中にねこじゃらしが生えていてそれを1本抜いて立てかけたのか、2本持ってきて1本をプランターに差したのか。いま考えるとプランターに土が入れてあるとは思えない。どこかからどなたかが持ってきてお供えしたのだろう。ねこじゃらしはそれぞれに、そこに緑を添えていた。
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