道ゆく先々での、木々草々花々などさまざまの出会いとその後を、一筆箋に綴るつもりで。
From the Wayside: about my acquaintances of trees, flowers, weeds and others (written in Japanese)
※ ページの下のほうにこのブログの説明・過去記事カレンダー・タグクラウドなどがあります
※ 現在、機器の問題でブログの更新がやや難しくなっています。最新の記事はツイッターのほうに投稿し、このブログには可能なときに後追いで掲載するようにします。1日の記事が多いときにはブログに一気に投稿する場合があります。2020年9月18日(2021年6月1日修正)
2019年8月14日
道の記
跡地の外周を巡る緑道の、まだ工事中だった箇所が開通していた。そこを歩くのは10年ぶりになる。気になっていたニッケイの木に近づく。見上げても緑の葉は見当たらない。樹皮が剥がれかけていた。それでも会えてうれしかった。でも、うれしいだけではまったくなかった。
ニッケイの木は多くの方々に人気だった。こどものころ根をかじっていたとか、根を掘り上げて売ってこづかいにしたとか、むかしの思い出をたくさんの方からうかがった。そのときの光景が目の奥に浮かんだ。どなたもしあわせそうにお話しになっていた。
ニッケイの木は暮れた空に枯れた葉をいくらか残しただけの小枝を広げていた。私は、樹皮の浮いた幹に触れて、おつかれさま、としか声を掛けてやれなかった。思いはそれだけしか言葉にできなかった。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿
いただいたコメントは、当方で読ませていただいてから公開するかどうかを判断します。ご了承ください。