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2019年8月31日

道の記


長い雨が上がった。


空き地の草はのきなみ高くなっていた。ヒロハホウキギクだけが咲いていた。むしろ花を終えて綿毛になっていた。それもまた花のようだった。


道のこちら側を通ることがこのごろなかった。大きなヒメムカシヨモギが並んでいた。かと思うと、クロガネモチの木のふもとにハゼランが大きく伸びて咲いていた。待ってましたと声が聞こえた気もした。


草の世話をしている場所で、ヤブガラシをちぎって手に持っていたら、小さなこどもさんがやってきた。手にヤブランの花を持っている。どこかで摘んできたのだろう。仲間だと思ってくれたようだ。


マンションの上のほうの階に陽が当たっていた。雨が明けてまだ太陽を見かけていない。振り向いたが、建物の上に赤みがかった入道雲が見えるだけだった。


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