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2019年2月13日

道の記


桜の向かいのお家は空き地になっていた。工事予定の告知が立てられていた。敷地の奥には草が見えたが、路地を入っていくのは控えた。お話をさせていただいていた方を思い起こしながら、空き地に頭を下げた。

***

構内の建物が少なくなっていた。木々が伐採されて切り株が残っていた。

むかし自分たちがいろいろな行事で動き回っていたその傍らに蔦が生えていた。そこへ回り込んでみた。蔦は変わらず植え込みを埋めていた。その植え込みの木はいま見たらクスノキだった。幹は蔦の葉に覆われていた。

建物の裏側では、サザンカが咲いていた。その隣はフェンスで、いまここを通る人がどのくらいいるのかわからない雰囲気だった。それでも工事関係者の方々の何人かはこの花を目に留めておられるだろう。

私が生きているか、木々草々が生きているか。どちらも生きてさえいればいつかまた会える日があるだろう。


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