道ゆく先々での、木々草々花々などさまざまの出会いとその後を、一筆箋に綴るつもりで。
From the Wayside: about my acquaintances of trees, flowers, weeds and others (written in Japanese)
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※ 現在、機器の問題でブログの更新がやや難しくなっています。最新の記事はツイッターのほうに投稿し、このブログには可能なときに後追いで掲載するようにします。1日の記事が多いときにはブログに一気に投稿する場合があります。2020年9月18日(2021年6月1日修正)
2019年2月28日
道の記
ひさしぶりに通った緑道は放課後のこどもたちの遊び場になっていた。少し日陰なためかフラサバソウが多かった。
ここにはもともと公園入口はなかったのだが最近小さな入口が造られた。めったに通らないがきょう通ったら、入口周辺の木々の幹に赤いテープが一重に巻いてあった。いまたくさん赤い実を付けているクロガネモチの木や、冬姿で高くそびえるメタセコイア、冬芽をつけている桜の木にも巻いてある。夕日はもう見えなくなっていた。夕空に桜が冬芽の枝々をかざしていた。
2019年2月25日
2019年2月23日
2019年2月17日
道の記
セイヨウタンポポの電柱が撤去されてその跡が舗装され、その舗装の隙間でそこに以前から生えていたスズメノカタビラが穂をつけていたが、そのスズメノカタビラがいなくなった。抜かれたのか、さらに舗装されて隙間が埋められたのか。その脇の側溝蓋の隙間でスズメノカタビラが小さく葉を広げていた。
クサギのトンネルだった場所では、冬のあいだ咲いていたツワブキがすっかり花を終えていた。斜面からはツワブキの葉のほか、タネツケバナやハコベの葉が伸び出てきた。タネツケバナはそこかしこで小さな丈のまま、花を付けていた。
草の世話をしている場所で、やってきたこどもさんたちにいろいろ草を教えていたら、1人のこどもさんがあっというまにオランダミミナグサの葉を見つけられるようになった。手を引かれて広場の木のところへ連れて行かれた。この木はモチノキ、と伝えた。こどもさんが餅の話をし始めた。
梅の花の向こうに上弦を過ぎた月。風は冬の風だった。
2019年2月13日
道の記
ナズナとホトケノザが咲きに咲いていた。風は冷たかった。山は雪のようだった。
林だった高台に木々が少しだけ残されていたのだが、その木々もなくなってしまっていた。砂利の地面に少しだけノゲシが咲いていた。
山に日が沈んだ後、その山の左のほうに幻日が見えていた。幻日に背中を照らされているのだと思いながら帰り道を歩いた。道はまだ遠かった。
道の記
桜の向かいのお家は空き地になっていた。工事予定の告知が立てられていた。敷地の奥には草が見えたが、路地を入っていくのは控えた。お話をさせていただいていた方を思い起こしながら、空き地に頭を下げた。
***
構内の建物が少なくなっていた。木々が伐採されて切り株が残っていた。
むかし自分たちがいろいろな行事で動き回っていたその傍らに蔦が生えていた。そこへ回り込んでみた。蔦は変わらず植え込みを埋めていた。その植え込みの木はいま見たらクスノキだった。幹は蔦の葉に覆われていた。
建物の裏側では、サザンカが咲いていた。その隣はフェンスで、いまここを通る人がどのくらいいるのかわからない雰囲気だった。それでも工事関係者の方々の何人かはこの花を目に留めておられるだろう。
私が生きているか、木々草々が生きているか。どちらも生きてさえいればいつかまた会える日があるだろう。
2019年2月5日
道の記
15年前にその土地を訪ねたときにたまたま見かけた大きな木を、その土地をあらためて訪ねる機会にできればまた訪ねたいと思っていた。時間を作って行くことにした。坂を下ったところにその木が見えるはずだが見えなかった。あたりを歩いて回ったが見つけられず、その木がいたはずの道を歩いていると、千年銀杏の碑と、大きな切り株があった。切り株は朽ちて白くなっていた。ひこばえが出た跡があった。まわりをナズナやホトケノザやキュウリグサなどの花が囲んでいた。
当時、こんなところにすみれが生えているのか、どこから種子が来たのだろう、と思っていた場所も訪ねてみた。すみれが咲いていた。15年のあいだに代替わりしたのだろうけれど、ずっとそこに生きていたようでもあった。そっと触れて立ち去った。空が青かった。
このあたりの小道に緑が豊かだった記憶があったが、その道へ入っていく入口がわからなかった。しばらく歩いていると、古いお家のトタンの壁が見えた。直観的にここだと思って入っていくと、あのときに見た辻に出た。少し放置加減なお家の緑が小道をなつかしく彩っていた。
その先には大きなサボテンがいた。駐車場の守護をしているようだった。横でサボテンより少し高く育った木が赤い実をたくさんつけていた。
むかし、ここで人を待ったことがあった。木々に囲まれていた記憶があったのだが、囲まれているというわけではなく、正面に大きな木々がいるのだった。その木の向こうの芝生の広場から、オカリナの音が聞こえてきた。吹いておられる曲は緑が豊かに出てくるアニメーションの主題歌だった。むかしのことがどうこうでなく、このごろがどうこうでもなく、いまのしあわせをだいじにしたらいい、と自分に思った。
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