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2017年10月28日

道の記


乗っていた電車から、沿線の唐実桜の伐り株が掘り起こされているのが見えた。回り道をして現場に行った。撤去作業の最中だった。重機を操作しているのが以前お世話になった方で、私に気付いたか気付かなかったかわからなかったが、険しい顔つきで作業を続けておられた。


通学路で通っていたころから林だった道沿いの土地に、しばらく前に大きく手が入った。そのあと、枝がほぼすべて落とされた高木の幹が何本か立ったまま残されていた。幹は伐られる様子がなく、やがて幹の上や横から芽吹き始めて、このごろはふたたび木らしい姿に戻りつつあった。その木々がなくなっていた。土地は広く明るくなっていた。


工事が進む踏切のそばで、セイタカアワダチソウがこまやかに咲いていた。その向こうの遠くに、山並みが見えていた。帰りはいつもあの山並みに向かって帰ってきたのだった。山は、そろそろこっちへ戻ってこいと言っているような気がした。