道ゆく先々での、木々草々花々などさまざまの出会いとその後を、一筆箋に綴るつもりで。
From the Wayside: about my acquaintances of trees, flowers, weeds and others (written in Japanese)
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2017年10月29日
道の記
ふだん歩いていて気付かず自転車に乗っていて気付いた道の脇のヒメムカシヨモギは、もうあとかたも見あたらない。生えていた舗装とブロックの隙間には苔も生えていて、その苔からなにかの草が芽生え始めていた。双葉と本葉とで十字を作っていた。
夕日に向かって歩くのはすがすがしかった。タイル歩道の脇に立ち並ぶメリケンカルカヤの穂に夕日の光が輝いていた。
道沿いの、伐採された大くすのきの林はあまり様子が変わっていなかった。残されている伐り株からは、別の場所の宅地開発中のくすのき林が以前そうだったように、空に向かって小さな枝が伸び上がり始めていた。となりで、同じくらいの高さのすすきが揺れていた。
千日紅というのか、いくつもの赤い花をつけた長い茎が、路上で平らになっていた。誰かが花屋さんで買って帰る途中で落としたのだろう。土のあるところに移そうかと思ったが、落とした人が探しに戻ってくるのではと思い、そのままにしてそこを離れた。でも気になって、帰りに同じ道を通った。花の茎は日暮れた路面に変わらずに張り付いていた。今度は拾い上げて路側に移した。花も茎もひんやりとしていた。