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2016年8月30日

道の記(石橋美術館閉館の日)


日曜は大雨の中、最終日の石橋美術館に(なんとか)行くことができた。夕方だったので特別展を急いで見て回った。たくさんの方がそれぞれに何かの絵の前で立ち止まっておられた。

黒田清輝の鉄砲百合や坂本繁二郎の植木鉢の絵もよかったが、金山平三の「石母田の堤」という風景画になぜか惹かれた。大きな斜面が左に広がる独特な構図なのだが、たまたまなのか色使いがモランディの静物画みたいで、とても不思議な落ち着きがあった。

閉館時間を過ぎ、来館者がひとりまたひとり外に出て、かなりの数の方が帰らずに入り口の階段の下でそのときを待っていた。雨は小雨ながらも降っていたが、急に館の向こうのほうから日が差してきて、雨の中、そこだけの青空が館の上に広がった。偶然とか奇跡とかでなくふつうのことのようだった。

私も当時いた研究室の事業でお世話になったり、久留米の草木の写真をちょっとだけ展示していただいたこともあった。久留米の方々のような深いつながり関わりではなかったけれど、最後の時間に立ち会うことができてよかった。市立美術館になったらまたおりおり足を運びたいと思う。

明日は福岡市美か…。