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2016年7月20日

道の記


歩いていて突然となりにバナナ(芭蕉)が現れた。こんなところにバナナ!と辺りをよく見たらポケットパークみたいな小さな公園だった。公園にバナナが植えてあるのも珍しいように思う。人は誰もいず、バナナが夏の訪れを歓迎するかのようにしずかに茂っていた。


公園のバナナと言えば、むかしよく遊んでいた公園に、いつごろからかバナナが植えてあった。桜がきれいな公園だった。公園が駐輪場に変わってからもバナナや桜は敷地の隅に残っていた。その駐輪場がまた緑地になると聞いて喜んだのだが、桜もバナナも伐られてなくなり、いまは空地のままになっている。

バナナが伐られたその日にちょうどそこを通った。花が転がっていた。現場の方に頼んで花をいただいて帰った。どうかしたら実らないかと思って水差しにしたりした覚えがある。バナナは根が残っていて、しだいに復活していたが、整地工事の際に完全になくなった。緑地ができるのはまだ先のことのようだ。


保存を望む声も上がっていたのではと思われる、ちょっと珍しい様式の住宅が取り壊された。以前からそこにいろいろな草が生えていて道から見ていた。敷地内の起伏を残して更地になった。ほどなくエノコログサが生えてきて、あっというまにねこじゃらしの段々畑になった。きょうは夕陽に照らされていた。

エノコログサももとからそこにいた草だった。