美術館の帰りにその絵のところへ戻った。他にもいろんな絵が描いてあったのだった。ケーキ、たくさんの果物、そしてこどもさんらしき笑顔。こどもさんはもういなかった。
公園の林のところどころに人が座っていた。この場所のこういう景色をあまり見たことがない。明るい休日の午後。
近寄らないでと札が掛けられていた桜は伐られていた。切り株は乾いていて、伐られてから少し時間が経ったようだった。ひこばえが出ていないか見てみたが、切り株も根も茂る草たちに囲まれていて、ひこばえはわからなかった。
丘の陰の斜面でアキノノゲシが咲いていた。
ツルボはさらに少し咲き進んでいた。日がちらちら当たっていた。
大きな公園は人がたくさん。自分の居所がなかった。大きなケヤキの下のベンチが空いたので掛けた。カリンバをぽつぽつ鳴らした。日が傾いていた。
十月桜がちらほらと咲いていた。そのとなりでオカリナを吹いた。日が暮れた広場では、向こうのほうから、遊び続けている人たちの声がしていた。こどもたちが歌っている声がかすかに聞こえた。
2020 9/27 地面に描いた絵 サクラ アキノノゲシ ツルボ ケヤキ 十月桜
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