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2019年5月31日

道の記


昨日歩いた道をまた歩く。交差点の向こうの角にカラムシなどの草が茂っていて、そちらへ渡ろうかと思ったが、信号が点いているほうを渡った。正面ではコンクリート擁壁の高い位置から、イヌビワの幼木が待っていたかのように迫り出していた。


この方向へ行くと近道ではないかと、小さな路地に入った。どこへ出るか出ないか歩いてみないとわからない。道はくねってさらに狭くなった。古い煉瓦塀のあいだを歩いていくと、中庭のありそうな大きなお宅の門構えがあり、その脇にナデシコの仲間の花がずらりと並んでいた。道はほどなく知っている場所へ出そうだった。


だいぶ前に訪ねた、小さな川のほとりに立ち寄った。そこは大きなセンダンの木がいたのだが、川岸を歩道にする工事で伐採されたのだった。前に訪ねたときにその向かいのお店に寄って、センダンの話を伺った。お店には在りし日のセンダンの姿が飾られていた。そのお店は閉じられているようだった。川岸の歩道の柵に、センダンの写真札が前の時と変わらず掛けてあった。


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