公園のカンサイタンポポの土手にロープが張られて立ち入れなくなって何年目かになる。ロープの向こうの下り斜面ではハルジオンやシロツメクサやいろいろな草が茂っていた。そのあいまあいまでカンサイタンポポが咲いていた。以前は斜面やその下でこどもたちが遊び回っていた。ロープを小さなこどもさんがくぐって、ロープをつかみながらお母さんに何か言っていた。お母さんが、そこに入っちゃだめでしょ、とこどもさんを叱った。草たちの景色がにぎやかだった。
ケヤキの道路は拡幅工事が進んでいた。ケヤキの切り株も、造り付けの花壇も、すでに撤去されて地面が出ていた。花壇のあった場所で、植えられていた何かの植物らしきちぎれ根が地表に顔を出していた。私を呼び止めたケヤキの場所にもちぎれ根が見えていた。いまもそこに、あのときの木の魂が居るようだった。こちらへ歩いて来る人もいたが、その場所に頭を下げて立ち去った。
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