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2018年2月12日

道の記


高い建物の上の給水塔のようなところから、からすが飛び立った。あとに何か鳥のようにも見える黒いものが残っている。からすだろうかと思ってしばらく見ていたが、遠くて、動いているのかどうかもよくわからなかった。幼木かもしれない。さっきのからすはそこで何をしていたのだろう。気が付くと、給水塔の真下に別のからすが1羽、ずっと留まっていた。


震える寒さになった。自動販売機でココアを買って飲んでいて、そこの庇の上からスズメノカタビラが出ているのが見えた。穂も出ていた。


公園で草探しをしていてこどもたちから声を掛けられた。近くの草を差して、こっちはアメリカフウロ、そっちはオランダミミナグサ…と話したら、すかさず、こんなにいろいろ名前を知っているなんてすごい、と言われた。ひさしぶりにこどもさんから誉められてうれしかった。


この前ここを訪ねたのは何年前だったか、そのときには伐られてまもなかったように覚えている大きな伐り株。時が経って、すっかりしずかになっていた。あちらの伐り株には小さな荷物が置かれて、おとうさんと女の子がゆっくりとおにごっこをしていた。


小学校は広々とした空き地になっていた。真ん中あたりに地面をそのまま活かした花壇が造られているほかは、あまり手を入れられていないように見えた。菜の花のように見える小さな葉が1列2列並んでいた。いろいろないろいろな春の草がところどころで同じく小さな葉を広げていた。さっきまでちらついていた小雪は、日差しにかわっていた。