道を間違えてしまい、行くつもりだった道へ抜けるために、またまったく知らない細道を歩いた。むかしながらの住宅が並ぶ中をくねくね行く。アパートの道際にいろいろな菊が咲いていたりするけれどじろじろ見ないで歩く。急に片側が開けた感じがした。小さな公園で男の子とお父さんがボールで遊んでいた。冬姿のけやきが晴れ空にそびえていた。
夜に通ったときは気付かなかったが、小さな畑のはじっこになずながたくさん咲いていた。
切り開かれた大くすのきの林には水仙が咲いていた。裸になった斜面のところどころに花が咲き、咲いていないところにもたくさんの葉が見えていた。大くすのきは赤い芽をたくさん出して次の暮らしに備えていた。