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2017年12月23日

道の記


通り過ぎようとしていたのを、ここは蝋梅があるのだったと思って様子を見てみた。いくらかのつぼみがふくらんで、そのうちのいくらかが開きかけていた。咲いているとまでは言えなさそうに思った。立ち去るときにかすかに香りがしたような気がした。


宅地開発中のくすのき林では、くすのきの伐り株から伸びた芽が赤っぽく色づいていた。1羽のからすがブロックの上にとまっていた。見張りをしているようだった。


トイレのある公園を探して、思っていたのと違う道を通り、歩いていくうちに、むかしながらの長屋や木造アパートの裏にむかし風情の団地が並んでいる曲がりくねった路地に入った。ふと、なにかとても懐かしい感じがした。でも心当たりはない。雰囲気を心に尋ねながら歩いていると、道はほどなく知っている大通りにつながった。


ヒロハホウキギクが分離帯のまんなかに立って咲いていた。小さなセイタカアワダチソウと隣り合っていた。横断歩道を渡りきれず、次の青信号まで花を眺めた。


帰り道にもくすのき林の横を通った。日が暮れて景色はよく見えなかった。行きは気付かなかったけれど、かすかにくすのきの幹の香りがした。