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2017年11月24日

道の記


この長い歩道を往く人はなにか心に抱えているものがあるのではなかろうかと思うほど長く続く歩道を歩いていて、スポーツのユニフォームを着た男の子とすれちがった。「こんにちは」と挨拶され、私も「こんにちは」と挨拶した。ほどなく歩道が途切れて小道と交わった。


坂道からはヤコブのはしごがきょうも見えていた。きょうは草地には誰もいなかった。クヌギの木が色づいていた。


伐り株になった柑橘の木は低い草に囲まれていた。


ふとなにかの甘い香りがした。道際の少し広い場所にあまり高くない枇杷の木があり、花が咲いていた。入って差し支えない場所のようだったので、近くまで寄って香りを嗅いだ。その花の香りだった。


山がきれいだった。夕日を正面に受けていながら色が淡く、背後の雲に溶け込みそうで、それでいて大きく広がり、はっきりとそびえていた。その山のほうに向かって自分が歩いているのがうれしかった。