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現在、機器の問題でブログの更新がやや難しくなっています。最新の記事はツイッターのほうに投稿し、このブログには可能なときに後追いで掲載するようにします。1日の記事が多いときにはブログに一気に投稿する場合があります。2020年9月18日(2021年6月1日修正)

2017年8月11日

道の記


台風が来るという前の日だったかと思うが、電車の床にとんぼが落ちていた。乗客の人たちに避けられていた。手に取ると生きていたので連れ出し、駅を出て近くの公園へ連れて行った。左側の翅が1枚しかなく、足も減っていて、飛ぶのも動くのも無理のようで、公園の隅のつわぶきの葉に置いて別れた。


きょうまたその駅で降りた。安置した虫のその後を見ることはふだんしないけれど、きょうは公園に立ち寄った。とんぼはつわぶきの葉の上にはいず、その下で、雨宿りか日よけをするように伏せていた。台風も大風もそこでやり過ごしたのだろう。声を掛けて指で触れたらかさっとした。瞑目して立ち去った。


クサギのトンネルはいちだんと香り立っていた。落ちていた花をひとつつまんだ。その花も香り立っていた。


柳絮の木はなくなっていた。根も取り払われたようで、新しい土が入れてあった。水辺の向こうではイベントが開かれているようで、そちらへ向かう浴衣姿の人たちが夕方の道を歩いていた。


入ったお店で歌が流れていた。ぼくたちの前にこれからもこの自然が変わらずにありますように、と聞こえた。