道ゆく先々での、木々草々花々などさまざまの出会いとその後を、一筆箋に綴るつもりで。
From the Wayside: about my acquaintances of trees, flowers, weeds and others (written in Japanese)
2020年8月30日
2020年8月28日
2020年8月27日
道の記
中心街の交差点。横断歩道を渡りきったところのポールの下に、エノキの幼木が居着いていた。アレチノギクやオッタチカタバミらしき草たちが脇を固めていた。
このまえイノシシが走り回ったという城跡。ここもイノシシが通っただろうか。カラスたちが金網の向こうで逃げもしないでたたずんでいた。
林の中でキツネノマゴの花が咲いていた。花を今季初めて見る。トウバナのように見える葉も出ていた。ここにこうした草たちがいたのか、と思いながら、近くでキツネノマゴがいる場所をいくつか思い起こした。
目の前の橋の上でどなたかカラスに餌をやっているらしく、カラスが集まっていた。私が橋に差し掛かるとその方がさっと自転車で去っていった。残されたカラスたちがその方をぼうぜんとした様子で見送っていた。
2020年8月23日
2020年8月21日
道の記
角のイヌビユが大きく育っていた。高くはならず、横に広がっていた。
小さな公園はオヒシバなどの草が茂っていた。ここからは何の草かわからない高い草に囲まれるようにして、ベンチで御仕事の服装の方が休んでおられた。
伐られた桜の敷地では、ヒメムカシヨモギかオオアレチノギクだと思う、丈がまだ小さな草が道際に生えている。その草がこの前も目に留まって、ふと立ち止まって触れたのだった。その隣にマンションの看板が立っている。看板が告げる未来にこの草がいるかどうかではなく、いまこの草が生きている。葉の緑は深く、縁にはぽつぽつと短毛を宿していた。
桐の木の切り株は今度は完全にゴムシートに覆われた。こちらも敷地内に重機が入っていた。
山は夕方色に霞んで見えた。
2020年8月20日
2020年8月19日
道の記
数日前にはこのすぐ近くで蝉を拾ったその場所を、きょうはバスの車内から見る。1枚の葉っぱが歩道を風に吹かれていった。何か鳥のような影がやはり歩道を過ぎていった。この短い停車のあいだにここではそんなことが起きている。蝉がいたのもそんなできごとの1つだったのだ。
ランタナの交差点の花はハナカタバミだった。それからランタナも咲いていた。
田んぼだった駐車場の端の花壇はパンジーの仲間のような花が1種類いっぱい咲いていた。
見晴らしの丘から見る景色はいま思うと晩夏の景色だった。すぐ手前の道路脇からシナダレスズメガヤが1株、穂を掲げていた。丘の景色のなかにはシナダレスズメガヤは見えない。シナダレスズメガヤはどこから来たのだろう。どこから来たのであれ、他の仲間からどれだけ離れているのであれ、いまここで1株のいのちを生きている。そう思いながらその場を離れようとして振り返ると、そこより車道側にもう1株、大きなシナダレスズメガヤが立っていた。
ムクゲに添えた蝉は見当たらなかった。
あぶらぜみはそのままいたが、つまぐろひょうもんは何かに食べられたように翅が欠けていた。頭を下げて立ち去った。
山が見える道を通ることにして帰った。空だけは秋を告げ始めた。
2020年8月18日
2020年8月17日
2020年8月16日
2020年8月15日
道の記
丁字路には1本だけエノコログサが立っていた。
すみれのプランターの並びの、以前はたしかすみれが出ていなかったのではと思うプランターにすみれが出ていた。花が咲いた跡があった。
少しやせている感じの猫が、飲食店の前のほうからやってきた。餌がほしかったのだろうかと思って通り過ぎながら様子を見ていたら、お店の前の砂利敷に座り込もうとしていた。
枯れていた桜の木が伐られて切り株が残っていた。公園には誰もいず、街灯が切り株をとてもしずかに照らしていた。
満開だったオニタビラコが枯れた場所で、オニタビラコが少し花をつけていた。満開だったオニタビラコの位置なのかどうかは暗くてわからなかった。
道の記
横断歩道を渡っていて、向こうからやってきた蝉に衝突した。蝉はすぐ後ろのポールに止まった。アブラゼミだった。引き返して、人にぶつからないようにと苦情を言った。しかしアブラゼミのほうも、私が近づいても逃げもしなかったところをみると、ぶつかってショックだったのかもしれない。
伐られた桜の木の切り株のとなりに、地鎮の札が立っていた。タチスズメノヒエが穂を開き始めていた。
売り地の桐の木はまた伐られていた。こんどは地面にゴムシートが敷かれていた。何か工事が始まるのだろう。ゴムシートは桐の木の切り株に接するように敷かれていて、切り株とシートのあいだから桐の芽らしき葉が見えていた。
2020年8月12日
2020年8月6日
道の記
ツメクサの角の草はクグガヤツリではなくコゴメガヤツリだった。別の場所でクグガヤツリを見たのとこんがらかったのだろう。アレチノギクだと思っていた草はずいぶん丈が高くなった。
公園の小さなグラウンドのまんなかで空を仰いだ。少し霞んだ、春のような空。巻雲が出ている。振り向くと、まだ夕日と言うに少し早い太陽が赤かった。
メリケンカルカヤのプランターは何かニラの仲間のような花が咲いていた。
さっき公園の芝生で仰向けに寝ていた方が自転車で遠く去っていく。桜の木々に蝉の声が鈴なり。ハナカタバミが花を閉じている。公園はぱらぱらと人が居て、少し涼しい時間をめいめい過ごしておられるようだった。
もう夏も終わるのだろうか。入道雲にまではならなかった積雲がうっすらと染まっていた。