角のイヌビユが大きく育っていた。高くはならず、横に広がっていた。
小さな公園はオヒシバなどの草が茂っていた。ここからは何の草かわからない高い草に囲まれるようにして、ベンチで御仕事の服装の方が休んでおられた。
伐られた桜の敷地では、ヒメムカシヨモギかオオアレチノギクだと思う、丈がまだ小さな草が道際に生えている。その草がこの前も目に留まって、ふと立ち止まって触れたのだった。その隣にマンションの看板が立っている。看板が告げる未来にこの草がいるかどうかではなく、いまこの草が生きている。葉の緑は深く、縁にはぽつぽつと短毛を宿していた。
桐の木の切り株は今度は完全にゴムシートに覆われた。こちらも敷地内に重機が入っていた。
山は夕方色に霞んで見えた。
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