2019年4月7日

道の記


同じ方向へ行くのにときどき違う道を歩いたりして、このあたりの小道もだいぶ歩いたと思っていたが、知らない道に入った。どのあたりに出るのだろうと思いながら歩いていると、正面に大きな桜の木が見えた。小さな公園だった。桜はちょうど満開。誰もいない。桜の下で水を飲んでひと休みした。いい花だったともう一度桜の木を眺め、先へ歩くとすぐ、見覚えのある道路に出た。あの公園だったのかとわかった。振り返った。桜は他の木々の向こうで、いまこのときとばかりに明るく咲いていた。


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