2019年11月10日

道の記


以前スダジイの実を拾う方に出会った、そのスダジイの木の下でどんぐりを拾い集めた。マテバシイの実はけっこう落ちているが、スダジイは思ったほど落ちていない。今年も拾いに来られたのだろう。


サザンカの花の下で、幼稚園帰りらしいこどもたちが腹這いになって地面で何かをしていた。興味があったけれど、サザンカの花のほうを見て行き過ぎた。


伐採撤去された桜の代わりに新しい桜が植えられてこの冬で5年になる。新しい木は思いのほか大きくなっていた。そこにはもう新しい時間があった。


いちょうの並木が立っていた場所に寄った。いまは別の構造物がそびえている。あの秋はたくさんの葉が風に舞っていたのだった。いま思うと、自分の種子のように風に放ったのかもしれない。いま砂利が敷かれているこの場所の土は、あのいちょうたちを覚えているだろうと思った。


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