2018年10月6日

道の記


教えていただいた崖の階段を下りると、大きなクスノキが斜面にたくさんそびえていた。その向こうにマンションのような建物が見える。林を残しながら建てたもののようだ。歩き去りながら見ているとその一帯はだんだんと小さな山の姿に変わっていった。


つくつくぼうしの声がした。ああまだつくつくぼうしがいたんだ、どこだろう、と見上げて探したら、グラウンドのネットにとまっていた。私に気付いて一度鳴き止んだが、止めている暇はないと思ったか、すぐにまた鳴き始めた。ひととおり鳴き終えると、さっと向こうの木のほうへ飛んでいった。


さっきの公園は子どもとお母さんが遊んでいたが、こんどの公園は人が誰もいない。こちらのほうが草が茂っている。チチコグサ、イヌクグ、少し落ち着いた感じの草景色。スズメノヒエを見つけた。ああここにいたのか、と思った。つやつやした小穂が並んでいた。ここの草たちがこれからも変わらずに暮らしていってほしいと思った。


帰りにもその公園の横を通った。公園の横は花壇だった。マリーゴールドの花があざやかに並んでいた。