短い丈のキュウリグサやヒメジョオンが生えていた場所で、今度は短い丈のナズナが咲いているのが見えた。顔を近づけてよく見ると、手が円かった。マメグンバイナズナだった。
ランタナ電柱にはねこじゃらしが葉だけ復活していた。アカカタバミも少しだけ葉が残っていた。
タイル舗装の上でミミズがのたうっていた。鳥がくわえてきたのではないかと思う。このまま人に踏まれてもかわいそうに思い、近くの植え込みの土に移した。ミミズは少し傷を負っていて、なかなかうまく這うことができないように見えたが、積もっている落ち葉のところまで頭がたどり着くと、突然這い方を思い出したようにまっすぐになって、少しずつ落ち葉の下へ潜っていった。
このミミズはこのように何者かにじっと見られていたのは生まれて初めてになるのではないかと、ちらっと思った。