2018年2月22日

道の記


もう何年も歩いている大通りの歩道の脇に、気付かなかった伐り株があった。はこべの花に囲まれていた。


やはりよく通る道から見える公共施設の小さな倉庫の裏側から、いぬびわの木が大きく伸び出しているのに初めて気付いた。枝先にぱらぱらと実が見えた。


駐輪場の柵に赤いマフラーが結んであった。けやきの木がぜんぶ見ていたみたいにそびえていた。


交差点のこぶしの木にはたくさんの花芽がついていた。風が冷たくなっていて、ふかふかの花芽が少し暖かそうにも見えた。満ち始めたばかりの月が梢の向こうに見えた。