2018年1月2日

道の記


行きにはときどき通るけれども帰りにはめったに歩かない道を帰った。正面に大きな月が出ていた。今夜は少し薄雲がかかっていた。月は右上の隅がわずかに欠けていた。その欠けていることにしずかに怒っているようにも見えた。歩道の脇でだいぶ前から枯れ色をしているメリケンカルカヤの穂が、すすきの代わりのように月の手前で傾いていた。