2017年5月10日

道の記


道端にただ1株、ただ1本の茎を高く差し上げて綿毛を空に送り出した後のたんぽぽ。茎は立ったまま萎れ始め、葉はいくらか色褪せていた。在来種か外来種か雑種か、見てもよくわからなかった。そのどれでもないのかもしれなかった。


雑木林からなかば竹林に変わりつつあった道沿いの丘が切り開かれて、マンションの建設予定を知らせる札が立っていた。丘そのものも大きく削られる途中のようで、敷地のひと隅だけが高さを残していた。そのわずかな丘のいちばん端で、草苺が赤く実っていた。