2019年10月24日

道の記


同じ道を同じ方向へずっと歩いてらっしゃる前の方が、ときどき振り返ってこちらをご覧になる。少しずつ距離が詰まってきた。追いついた。小声で歌ってらっしゃった。


いつも列車から見ていて気になっていた大きな木。ここも自分の足で来るとは思っていなかった。クスノキ。根元近くで二股にほぼ等分に分かれていて、ちょうど北海道豊頃のハルニレのように枝が張り出して垂れ下がっていた。そしてまわりは草原。セイバンモロコシやススキやタチスズメノヒエが穂をなびかせていた。

もともとここの敷地には何か工場のようなものがあった記憶がある。工場が無くなってクスノキが残ったのだと思う。敷地をぐるっと回る。キンモクセイが咲いていた。敷地の角に来るまでクスノキを遠く見て歩いた。


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