2019年5月29日

道の記


大くすのき林だった場所の大くすのきの切り株は、動かされたのか丘の形状が変えられたのか、丘の向こう側の脇に移動していた。丘の上は重機が陣取っていた。

切り株は遠目では乾いているようにも見えたが、小さなひこばえを従えていた。もう大くすのきはそびえ立ってはいなかった。ただ、ひこばえは空を目指していた。


伐採木置き場のいちょうの切り株は、この前のときよりさらにたくさんのひこばえを出していた。ひこばえは林とか森というより、密林のようだった。切り株は傾いたまま置かれているが、ひこばえはここでも、空を目指してまっすぐだった。


幹を伐られた柿の木も、つややかな若葉をたくさん茂らせていた。隣の樫の木の切り株も、ヤブガラシに囲まれながら、色の薄い若葉を広げていた。


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