2019年1月27日

道の記


前にどなたかが手入れをしていた街路樹ふもとのヤナギバルイラソウは、色は褪せたように見えたものの、枯れずにいた。


風鈴のように歩けばいい、と思った。風に吹かれて鳴りながら。考えながらではなく、鳴りながら。


傾いてきた日差しが明るかった。


古いお屋敷の跡地は掘削のような工事が進んでいた。敷地に緑はいっさい見えなかった。


月が明るかった。街の明かりの抜きん出たひとつのように照っていた。

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