繁華街の歩道の路面にトウカエデの葉が足跡のように散らばっていた。歩き回ったというより、踊り明かしたような足跡だった。
中心街の木々は電飾が巻かれていた。ただ、木に配慮してのことか、それぞれの木の枝全体のうち半数くらいだけに電飾が施してあって、残る半数の枝は黒々としていた。四つ角のこぶしもそうしてあった。金の光に照らされた冬芽が、あたたかそうにも寒そうにも見えた。
いつもクリスマスイブに訪ねるこぶしの木を少し早めに訪ねた。今年は冬芽をたくさん付けていた。今度の春にはこれまで以上にたくさんの花を見せてくれるだろう。向こうで、そのこぶしの木よりはるかに大きなクリスマスの電飾ツリーが、にぎやかに、でもしずかに、輝いていた。
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