カラスが空の駐車場に集まっていた。そこで食事をしている様子。何を食べているか見えなかったが、少しぎんなんの香りがした。道の対岸に渡ると、ぎんなんの香りが強くした。スダジイの実がたくさん路面に散らばっていた。
ランタナ電柱のねこじゃらしと新しく芽を出し始めていたランタナはどちらも姿がなくなっていた。
けっきょく、人間とは生えてくる草をなくすだけのための存在なのかもしれない、と悲観的なことを思いながら、植え込みにたくさん生えているコメヒシバの穂を1本、手に取った。すでに実が実って散ってもいる。軸をさすって、ああたしかにコメヒシバだと指先で思った。こうしていることが人間として何であるのか私は知らない。知らないままでじゅうぶんしあわせだ。
植え込みの木はクロガネモチだった。離れて見ると、小さな世界の傘のようだった。
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