2018年6月22日

道の記


蝉が泣いていた。少しの時間だったが、ニイニイゼミだったと思う。高いモミジバフウの木が暑い空にそびえていて、その木のどこかからの声だった。


ねこじゃらし電柱のねこじゃらしはまとめて抜かれていた。乾いていた。停車している車がすぐ近くだったので手は出せなかった。


緑の山の向こうに青い山があって、その少し向こうに夏の雲がそびえていた。