2018年5月9日

道の記


住宅地の中の空き地の一角。そこに、そこそこ大きなソテツの木がいる。何年か前に初めて見て、忘れがたい印象を持った。ふと思い立って、訪ねてみた。

どうしているだろうかと半ば心配しながら行ったのだけれど、ソテツは変わらずにそこにいた。いちばん上の段の新しい葉だけが残されていて、おりおり手が入っているように見えた。ふもとから新芽も広げていた。

その残されて立っている姿が、どこか神々しく感じられた。頭を下げて立ち去った。