2017年12月30日

道の記


人通りの多い道に迫り出している大きなけやきの木の下で、たんぽぽの茎が綿毛を放ち終えて同じように空にそびえていた。


イルミネーションが輝いている道路の向こう側を眺めるような位置で、多くの穂を実らせ終えて色褪せかかったタチスズメノヒエが新しい穂を出そうとしていた。


放置気味に見える小さな緑地のローズマリーの香りに元気をもらってもうひといき歩く。


柳絮の木が撤去されてからその道を何度か歩いたが、きょうは、最後の晩にその木のそばで見たときと同じように、月が空に昇ってゆくところだった。