クサギのトンネルの下でツワブキがつぼみを用意していた。クサギの実が小枝の先ごと落ちていた。手に取って路側に移した。そこからどこへゆくだろう。
近く取り壊されるだろうと思っていた建物が取り壊されていた。建物のかたわらにいたイヌビワの幼木がいなくなっていた。敷地には街路樹のクロガネモチらしき葉がいくつか落ちていた。イヌビワは葉もなにもわからなかった。
風はしだいに荒れ始めた。地上から人がいなくなり、かわりに街路樹のクロガネモチの葉がタイル舗装の歩道を埋めていた。
暗い雲の下、こどもたちが風に惑うボールを遊んでいた。ヒロハホウキギクにまぎれてホウキギクが1本、綿毛の準備に入っていた。