お家の前で、土がぜんぜんない様子なのにケイトウが1本花を咲かせていた。コンクリートの隙間に種子を蒔いてあったのだろうか、と思いながら通り過ぎた。そのすぐ近くの植樹帯で小さなひまわりが花を咲かそうとしていた。きっとそこのお家だと直観した。
公園のキツネノマゴはふたまわりほど小さくなっていた。刈られたのだろう。でも花を咲かせていた。近くにはエノキグサが1本だけ残っていた。ずいぶん色褪せて、葉に触れるとかさかさして破れそうだった。それでもほのかに緑色を残して、まっすぐ立っていた。
イチョウの切り株のひこばえはすでに落葉していた。ほかのイチョウの木から落ちた葉になかば埋もれていた。下校途中のこどもたちが歩道の落ち葉を軽く踏み歩いていた。