20年前の旅で夕張に行った。廃校を転用した宿の窓から炭住が見えていた。高い所に上がりたくて歩いていた道で、近くのおばあさんや炭住にお住まいの元坑夫さんと出会って立ち話をした。いつまでもその方々が暮らしていける夕張であってほしい、と、そのときの旅ノートに書いていた。
その後10年ぐらい経ってからだろうか、たまたま父がスポーツの大会で夕張に行くことがあり、帰ってきてからそのときの街の様子を尋ねた。炭住は見なかったと聞いた。調べたらどうもなくなった様子だった。父は炭住に住んでいたので、そのときに炭住がまだあったなら、懐かしく見たことだろう。
この前書いた花巻や渋民や美馬牛や、いろんな場所のことをときどき思い出す。夕張も。そこからの照り返しでいまの暮らしを振り返り見ていたりもする。